ランニングコストの面からフィルムカメラについて考える
フィルムカメラってお金かかりそうなイメージありませんか?
最近ですと、またフィルムの値上げがあったり。
フィルム代、現像代、プリント代…
メモリーカードの容量さえあれば無限に撮れるデジタルカメラと違って、フィルムカメラは撮れる枚数が限られています。
かく言う私もコスト面からフィルムカメラに手を出すのを躊躇していました。
でも、デジタルとフィルムを兼用するなら、実は思ったほどお金かからないんじゃない?と思ってこの記事を書いた次第です。
フィルムカメラのランニングコストは?
現像とデータ化だけなら、実はそんなにお金かからないんです。
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これに、プリントを足しても
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この金額。
当日、受取できないのさえ我慢できれば、ネットショップでの現像の安さは大変魅力的。
これにフィルム代を足した金額がフィルムカメラのランニングコストと言えるでしょう。
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安いフィルムだと一本あたり600円位が相場でしょうか。
とすると、フィルム一本あたり、データ化のみプリントなしと考えると、だいたい1000円前後のコスト。
思ってたよりも安くないですか?(それでも高いけど…)
フィルムカメラは腐ってもフルサイズ
私みたいなデジタル世代からすると「フルサイズ」という言葉は大変魅力的に聞こえます。
APSCの初級機から入っていつかはフルサイズ。フルサイズは高嶺の花。
フィルムカメラは最初からフルサイズなんです(ハーフもありますが…)
135フィルムのことを指してフルサイズと言っているから当然なんですけど…
フルサイズの利点である、データ容量の限り無限に撮れるということさえ目を瞑り、撮影回数だけ考えてみると
フルサイズデジカメのボディー+単焦点=30万円
フィルムカメラのボディー+単焦点=2万円+現像代とフィルム代
それぞれ月5回撮影すると、5年でイーブンに
でも、考えてみてください。
機械式フィルムカメラって寿命長いんです。
1910年代のバルナックライカが現役で使えるくらい。
オーバーホールも必要になることもあるかもしれませんが、大切に使っていればかなり長く使えます。
それに対してデジタル一眼レフ。
大体、5年で型落ちです。
10年前の機種とか現役のメインカメラで使ってる方はほとんどいないでしょう。
撮影枚数を考慮していない時点で圧倒的にフィルムカメラに有利な試算ですが、サブカメラとしてフィルムカメラを持つのならば悪くない数字だと思います。
デジタルメインで撮っていれば、一回の撮影でフィルム全部使い切ることはあんまりないですし。
私もフィルムとデジタルどちらか「一つ」持っていくものを選べと言われればデジタルを選びますけど(笑)
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フィルムカメラの今後について
ここ数年の中でも、NATURA 1600やX-TRA400など今まで量販店で普通で見かけたフィルムが販売終了となっています。
逆に復活したKODAK PROFESSIONAL EKTACHROMEなどもありますが、リバーサルフィルムなので常用とは言い難いところ。値段も高いですし。
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私がフィルムカメラに興味を持ったここ数年で着実に、フィルムは滅びへの道を歩んでいます。
2000年代初頭を目処にフィルムは需要は減少へと転じているため、おそらく私よりも一回り下の世代ではフィルムカメラで自分の記録が残っている方は少なくなって来ているのではないでしょうか。
技術や富の増大がこのまま進むとすれば、日に日にデジタルで撮られる写真の枚数は増えていきます。
その中でわざわざプリントアウトされる写真は1%にも満たないはずです。もっとも、写真に興味のない方でしたら写真のプリントアウトなんてほとんどしないでしょう。
フィルムカメラは現像した時点で、プリントアウトするか否かを選択することができるので、デジタルでとった写真を印刷するよりも、プリントアウトの面で考えれば敷居が低いともいえます。
もし、あなたのお子さんがカメラに興味を持つことがあれば、おそらく自分の記録にフィルムで撮影されたものがある、ネガが残っているという事実を誇りに思う日が来るかもしれません。
リバーサルフィルムで撮影されていれば、なおさらです。リバーサルはネガよりも早く消滅する可能性が高いので。
また、機械式のマニュアルカメラは孫や更にその下の世代にも受け継ぐことができます。
事実、祖父のカメラはペンタックスSPFという1970年代のカメラです。
父はカメラに興味がなかったため、物置に転がっていたものですが、最近私が引っ張り出してきて電池を入れたら露出計が動きました。
このカメラも大事に使っていけば、私が死ぬ頃には100年もののカメラとなっているでしょう。
デジタルカメラでそれが可能でしょうか。
少なくともこの記事をご覧になっている方はフィルムカメラに多少なりとも興味をお持ちだと思いますので、フィルムの種類が少なくならないうちに早めにフィルムカメラに手を出すことをおすすめします。
私ももっと早く始めておけばよかったと後悔しておりますゆえ。